goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(52ヘルツのクジラたち)町田そのこ

★52ヘルツのクジラたち


2021年本屋大賞受賞作品


読後感、良かったです



通常、クジラは10〜30ヘルツで群れ、連絡を取り合っている 52ヘルツだと、仲間たちに気づかれない


届かない声を、例えにした物語


作者は、小学生の高学年から中学生の頃にいじめにあい、学校に行くのが辛くて、本の世界に逃げていたと



その頃、大好きだったのが氷室冴子さんで、「明日続きを読みたいから頑張ろう」と、本を支えにしていたそう



作者も、自分の本で頑張ろうと感じてもらえたらと書いたそう



さて、本題、前半は

虐待児童

家庭内DV

トランスジェンダーなど、さまざまな社会問題の当事者が登場します



読みにくいと感じるかもしれませんが、後半は、展開が進み、イッキに読んでしまいました 



平穏に暮らせると思って、逃げるように田舎町に来たはずの貴瑚(キナコ)


しかし、少年(52・愛いとし)と関わるようになるにつれ、彼女自身の過去も明らかになっていく



二人とも虐待児童ですが、そこには声をあげても届かない、届けたいと思いもしない 様子が、、



(残ったところ)

●そうやって、育てやすそうな子だけ可愛がっていただけじゃないのかな  気に食わないと毛嫌いする自分勝手な教師は、どこでもいた 



●母は、わたしがわたしの意思で終わらせた人生の遺物に過ぎない もう追わなくてもいい人だ



●孤独という匂いは、厄介だ、どれだけ丁寧に洗っても消えない 孤独の匂いは肌でも肉でもなく、心にしみつく この匂いを消せたと言う人は、豊かになったと思う 



●よかれと思った教師の一言が、母の怒りに触れた もう二度誰にもあわれまれてはならない それから私は、大人を警戒するようになった



●アンさんも、52ヘルツの声をあげる一頭のクジラだった 私はその声を聴けなかった ごめんね 


もう一頭のクジラ(愛)が歌い出す 私は手足を大きく伸ばし、全身で受け止めると決めた



●私と愛が見た夜中のクジラは、夢でも幻でもなく、本物だった たまたま迷い込んだらしい



●アンさんの声が聴けなかったせいで、死なせてしまった 


私は自分が許せなかった 


私があんたにしようとしたのは贖罪 


それが私を生かすようになった 


そしたら、死んだと思っていた何が、ゆっくりと息を吹き返した 


あんたと関わることで、救われたんだ




お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい😊