★論理的思考とは何か
世界共通で不変の論理と思考法があると思われるのは
正しい結論を導く論理形式の規則がある場合と
アメリカ式のエッセイが多くの書籍で紹介されているからだ
本書では、4つの専門領域(論理学、レトリック、科学、哲学)の思考パターンを、経済・政治・法技術・社会で明らかにしてます
日本人が、米国では非論理的と見なされる背景に、文化に根差した教育による論理構造もある
技術-経験:経済原理→アメリカのエッセイ
技術-体系:法技術原理→イランのエンシャー
価値-体系:政治原理→フランスのディセルタシオン(弁証法)
価値-経験:社会原理→日本の感想文(共感・縁起的理解)
●経済領域は、利益の追求
●政治領域は、公共の利益の追求
●法技術領域は、真理の保持
●社会領域は、共感を通じた道徳心の涵養が優先
異なる領域の議論を非論理的に感じたり、トラブルが生まれるのは当然であり、言葉の違いより深刻である
だから、領域に応じて思考法を選ぶことで同じ結論に辿り着けるのだ
例えば、何らかのの問題の解決に
●解決にかかる費用や時間を優先させるのか
●コストが高くついても問題にかかわる人々の利益を最大に考えのか
●規範やイデオロギーの遵守を優先させるのか
●共同体のつながりや存続を重視するのか
どれを優先して議論するか決定(合意)すればそれにあった思考法を技術として使うことができる
多元多極主義が近代だが、大国の傘の下で結束したり、無理な合意形成を目指すのでなく
個人と共同体が価値を選びとり、ローカルに独立して生きることを目指す
日本では主張・根拠・結論のアメリカ型が論理的であると紹介され、これが唯一絶対的な論理的思考で受け止められる傾向があった
それまでの経済効率性と個人の自由を重んじるリベラル民主主義への信奉が強かった
だが日本で守られてきた社会領域の論理と思考が捨て去られる危険性がある
領域に応じた論理と思考法を技術として使いこなし
戦略的に相手が議論している領域を故意にずらし自分の領域の土俵に連れ込むこともでき
多元的に複数の異なる目的の達成も可能になる
また見えない文化的衝突も回避できる
●コロナ禍は資本主義をストップさせ、人類の生存に不可欠なものとそうでないものを浮かび上がらせ、世界中に伝統回帰を促した
それは近代以前に戻ることでなく、科学技術の恩恵を受け、経済的な取引をグローバルに続けながら、お互いなコミニケーションを観察し合う世界に足を踏み入れている
物質 →情報へ
物 →意味・価値の時代へ
アメリカの自己主張を直線的を主な基準とすることは、日本・フランス・イランでも拒否反応を起こすだろう
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