読了(狐祝言)芝村涼也
★狐祝言
北の御番所 反骨日録シリーズ4
作者は20年間サラリーマン生活、だから現代にもつながる時代小説が書けるのかも
主人公・裄沢の洞察力と対応策が新鮮
1800年ごろの江戸時代後期、江戸北町奉行所同心・裄沢は「やさぐれ」と陰口され
剣の腕が達つでもない、仕事も淡々とこなす地味な主人公
だが上役相手となると、部下としてこれほど扱い難い事はない
洞察力が鋭く論が立つ
細かいことを見逃さない
人の情の裏側を読む
非常な理不尽な上司には、とことん反発策を弄しても、なんなくすり抜けるのだ
以下、裄沢=やさぐれさん
🍀宴のあと
前巻で暗躍した件の後処理
※内与力・古藤が更迭、新任の内与力倉島(出世欲あり融通なし)が登場
※全員が、幕臣である町奉行所の与力同心の中で、内与力だけは身分が異なり、町奉行の家臣がその任に当てられる
やさぐれさんが、奉行・小田切を「お奉行様」と呼ぶのに対し、内与力は「殿」と呼ぶ 内与力は通常三人
🍀狐祝言
幼馴染(来合)の祝言を、いくつもの難題を乗り越え、遂げさせる
来合の相手・美也は、10年前に松平定信(倹約令で有名)の推挙により大奥に
美也の父・南町奉行所の定橋掛与力・坂木勘之丞は、自分の出世に期待していたが、、
松平定信が辞め、出世がかなわないと怒りを娘に向ける
祝言に出ないと宣言しながら、祝いの席に乱入し水をまき散らし、宴席をこわすことを企む
娘をお家の出世の駒としか見てないから、娘の幸せを祝えない
父の「今さら人並みにどこぞの嫁になろうなどと」が止めを刺す
やさぐれさんが、一枚もニ枚も上手で、※※お奉行まで巻き込んで無事に何とか力技でねじ込んでしまう
※※大奥に関わる秘事に巻き込まれ、裏側にいる者をおびき出すためおとりにされたやさぐれさん
これを仕掛けた奉行・小田切に直談判、取引
最後は、父は狐に化かされたような、それまで溜め込んだ怒りが抜けて、めでたし
🍀まいない新三郎
内与力・古藤の後任、倉島とやさぐれさん対決
倉島は、手柄をたてようと、、
やさぐれさんは、借財引継ぎの橋渡しや専売品直取引の仲介交渉の不正に、辞めた元吟味方与力の瀬尾と元内与力・古藤が糸をひいていることをつきとめる
弱みをにぎられ、手先に使われたのが、同心の横手新三郎
やさぐれさんは瀬尾の罪を表沙汰にすると、連動して横手も裁かないとの判断から倉島を飛んで内与力・深元に相談
面白くない倉島は、やさぐれさんに辞職勧告
お奉行の知らないところでの独断専行だ
深元は、倉島に、殿(奉行)を甘く見ておらぬかとバッサリ
やさぐれさんを
ただの名刀なれば、バッサリ斬っておしまいだろう
やさぐれにかかると斬るべきものは一番無駄のない斬り、斬るべきでないところは傷つけぬようにしてのける
そのような癖のある刀は、名刀を探し出すより難しい と
また町方は、旗本でないが直参で公方様のご家来衆だ
内与力は陪臣・又者(直に仕える家来でなく、家来の家来)
又者である我らが、公方様の家来を勝手に放逐せんとしたと
やさぐれさんは、矜持などというものにさほど価値はなく
自分の振る舞いで、内与力を外された倉島が今後反省して考えを改めればと
🍀秋日和
奉行・小田切と内与力・深元は、やさぐれさんをかっている
外された二人の内与力の代わりに老練な家令が登場 次回が楽しみです
北町奉行・小田切は部下に恵まれない でも内与力・深元は優秀だった
やさぐれさんは、台風の目
物語は展開が早く面白いです
🍎 🍊 🍌 🍇 🍉 🍑 🍓
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