読了(ひかりの魔女)山本甲士
★ひかりの魔女
ひかりは、大学浪人生の真崎光一のおばあちゃん
おばあちゃん(85歳)は、同居していた長男が亡くなった為、真崎家に
離れて暮らしていた祖母と同居、ウチはこれからどうなるのか? 孫の光一が語り手
光一(いい子)は、リストラされそうな父(ばあちゃんの次男)、パートの弁当屋を辞めさせられそうな母、不良の中三・妹が家族
残ったところ
🍀ばあちゃんは、いつもニコニコ褒め倒す、これまで人にした親切が、回り回ってばあちゃんや周りの人を幸せにしている 料理上手、書道好き
🍀※立禅のおかげか、朝早くからてきぱきと家事を片付け、エスカレーターも手すりも使わず駅の階段を上る
※立禅は、両足の指で地面をつかむように力を入れ、頭を引揚げられている感覚で、腰の後ろを真っ直ぐにして立つトレーニング
腰痛に効く
大腿部や尻に筋肉がつく
心臓に負担なく年寄りでも続けられる
内臓を強化するので、うたた寝をしているときなどに、手が勝手にぴくっと動いたり
それが気の力が溜まっていることを示し、身に危険がせまっている時は、とっさに理にかなった行動を取ることができるらしい
🍀光一に「あんなに演技しなくても、普通に席(バス)譲ってもらえるよ」
ばあちゃん「そうかもしれないけど、しゃんとしてたら、ためらうでしょ ほら、年寄り扱いするなと怒る人もいるから」
🍀以前の書道教室で教え子の話
ばあちゃんの「もう少し小さな声でしゃべるようにしてくれる」と頼むような言い方して
言う事聞いてくれたら、みんなの前でお礼を言ったりほめたりする
みんなは、ばあちゃんにほめられたくて、競うように自主的に他の子の靴を揃えたり、おしゃべりが過ぎる子を注意したり
みんな自然と礼儀作法が見についたようだ
「あの落ち着きのなかった子が、ちゃんと座っていられるようになったのは、あなたを見習うようになったからだね ありがとうね」 と
🍀「ばあちゃんに、1番可愛がられたのは自分!」こう言い切れる教え子(書道教室)や家族
🍀用美道(ようびどう)は、機能性があり、それが美しさを備えており、正しい生き方につながっていなければならない
例えば日本刀は
切れ味が鋭く扱いやすく実戦的
同時に優れた刀工による美術品
さらに刀に対する哲学(剣術の腕を磨き、相手を斬ることなく争い事を未然に防ぐ)がある
🍀ばあちゃんは週一買い物するが、炭と七輪でご飯炊き、予熱で野草のおひたしや味噌汁の出汁をとった昆布鰹節で佃煮をつくる
その中で鰯のぬか炊きが美味しそう
🍀雨の日は、野草摘みを中止
自室で書道 夕方は立禅、朝と同じに雑炊を食べる
ばあちゃんは何事に対しても薄い紙を一枚ずつ重ねるようにして、やがて、分厚い塊を生み出している
🍀次男がリストラになり、ばあちゃんに再就職の世話を頼まれた園部(教え子)さん
息子のプライドを傷つけないように、演出
次男自身の人脈により、今の勤め先を救い、リストラの危機を乗り越えたにした
ばあちゃんの教え(優しいうそ)が、園部さんに引き継がれている
🍀ばあちゃんは、他人の潜在能力引き出すために、多少うそをついたり、演技したりするけど、自分の利益のためでない
🍀また、家が貧乏だとか、家庭の事情が複雑だとか、そういった問題を抱えている子供や若者を、ばあちゃんは、独特の嗅覚で気づく能力がある
また、ストレートなやり方でなく、相手の自尊心を傷つけずに、やる気スイッチを出させる
そして元教え子たちは、大人になって気づくのだ
実はばあちゃんが、優しいうそをついてくれたことを
その事で、余計に敬愛の念が強まる
🍀回りも、そのやり取りを聞いて、周囲の若者達も「良い時間を共有したな〜」みたいな表情に
小柄で温厚なおばあちゃん(表紙のイメージ)、多くの人に慕われてるし、家庭も好転してるし、出来過ぎ感ありましたが、良かった〜
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