goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(夜の木の下で)湯本香樹実

★夜の木の下で


作者は、脚本家小説家

児童文学「夏の庭 The Friends」が世界の十数カ国で翻訳されました


(概要)

ぼくたち三人は、「もうじき死ぬんじゃないか」と噂されている、ひとり暮らしのおじいさんを見張りはじめた


だけど、見られていることに気づいたおじいさんは、だんだん元気になって、家や庭の手入れを始めた


やがておじいさんとも話ができて 少年たちの忘れがたい夏を描く




さて本題

作者は、音大出身 音楽に関する内容もあったが、どの作品も出だしがキレイです



数行読んだだけで、繊細で響きの良い文章だと感じられました 文学作品です



短編6編で、主人公は若く、10代か、もしくは20代



取り戻せない時間や、過ぎてしまった過去を思い出し、今の自分達が登場します



後悔や甘い懐かしさもあるけど、作者の前向きに生きていくが込められています



青春と呼ばれる時期、大人から見れば「なんだ、そんなこと」と思い出させます



その時その場の正しい判断力と行動力が、どうすれば良かったか、今だからわかる作品



そして、それは年を経てもさほど変わらないということもあるかもです 



●緑の洞窟 

私は、自分より弱い者に対する態度を取るように求められたが、それは自分を守っているような自覚があった 



●私のサドル 

私は、ひとり取り残されたでなく、彼が経験した欲望からつまはじきにされているのが悲しいのだ



●リターン・マッチ 

もっと単純なこと 負けるとわかってもやるしかないことがあるから 変わるのは僕のほうだ



●マジック・フルート 

およそ人を愛するなどというものに関わるものは、相手を求めすぎるあまり、自分を見失う



●焼却炉 「話したかった私と話せなかった私、それらが降り積もってゆく しんしんと降り続けるその音を、カナちゃんも聞いているだろうか」



●夜の木の下で 

俺は、何かバランスが崩れそうになると、深呼吸して猫缶を買う ・・・そういった一連の痛みが通りすぎると、足もとはしゃんとして、自分を取り戻すことができる



お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい(^^)