goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(黄色い夜)宮内悠介

★黄色い夜


タイトルの「黄色い夜」は、砂嵐で視界が黄色くなる現象のことだそうです


雨が降った後に、突然砂嵐の黄色い壁が現れて、イエローアウトに


アフリカのエチオピアに隣接する架空のE国


石油もなく資源が乏しく、産業はカジノに頼り、砂漠には螺旋状の巨大なカジノ・タワーが建っている


ここにやってきた日本人青年の龍一、通称ルイは、ある目的を持って数々のギャンブルに挑んでいく


システムプログラミングや宗教など、さまざまな要素が盛り込まれて、不思議な世界観です


ルイは、日本に恋人がいるが、メンタルに不調をきたし多剤大量処方によって薬漬けとなっている ルイがカジノに挑む動機は、その解決法になるからと 



ゲーム性のギャンブルと、社会派の融合という発想 イマイチ理解できないところありますが、、



カジノで成り立っている国家なので、カジノの攻略が、そのまま国家の乗っ取り なると



著者は、各国を旅し、その体験をもとに小説を執筆しています



今は、カジノがかなりハイテク化して、昔以上に無数の監視カメラがあって、プレイヤーのトランプの札も見られている



ちょっと怪しい賭け方をする人を自動的に判別する



ブラック・ジャックや、ルーレットなだけでなく、聖書を使ったクイズ形式のものや、水が沸騰する時間を予測する賭けなど、さまざま



ゲームの内容がわからないところも ハッキングコンテストは、あまり理解できませんでした



登場人物は


イタリア出身の青年、ピアッサ

彼が、カジノに挑む理由のひとつは、考古学者だった父親が、この地で発掘した類人猿の骨の化石を取り戻すため



ルイが、協力を乞うアシュラフという女性は、ソマリア出身で、ケニア人の夫は内戦によってイエメンに逃れ離れて暮らしている



他にツーリスト・マリッジ(裕福な外国人が貧しい村の若い女性と結婚するが、その後妻を捨てて帰国する国際問題)で生まれたという人物も



説教師などラスボス的存在など、みな個性豊かで強烈な印象です



「なんのためにギャンブルをするんだい」というルイの問いに


ピアッサは「そりゃ、神に近づくためだろ」


神あるいは、神的なものに近づこうとするのは、ギャンブルのひとつの本質だと 



ギャンブル依存症から抜け出すための会などでは、まず神を自分より上において、その下に自分がいることの再確認から始めると



逆に言えば、ギャンブル依存症と神は、とても密接な関係にあるといいます



ギャンブルに、自分に神を重ね合わせるという、とても不遜だけれど、、 掛けが当たれば自分を予言者と勘違いする、、


なるほど~



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