読了(まいまいつぶろ)村木嵐
★まいまいつぶろ
「まいまいつぶろ」という御茶ノ水にあったバー
今はもうありませんが、トリスの水割りが、1杯90円でした
さて、本題
九代将軍家重は、口が回らず、誰にも言葉が届かないと
歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)と呼ばれ馬鹿にされたと
小便公方といわれたそうです
廃嫡を噂される若君家重と、後ろ盾のない、唯一家重の言葉を理解する小姓忠光
忠光は、大岡忠相の親戚筋
耳や口(自分の考えをはさまず)にならず、家重の御口になれとの忠相の助言
二人の孤独な戦いが始まった
二代秀忠が、三代目を嫡男家光でなく、弟にしようとしたことで、家康が、嫡男家光を将軍に
その後、家光は、弟を自刀を命じ、遺恨を残すことになりました それ以来嫡男が、将軍が慣例に
八代吉宗は改革のため、35年近く将軍に 吉宗は、そういう家重が、九代目に相応しいか時間をかけました
五代綱吉が、御用人制を置いたため、老中は、それを介してしか将軍と話すことができませんでした 御用人が廃止されたのは、吉宗からです
その後、家重廃嫡の危機を救ったのは、家重の嫡男、幼少の家治でした
こういう家重ですが、幕府の財政状況改善のため宝暦治水工事命じたり、本当は、優秀だったのではと
百性の強訴、郡上騒動で、家重は田沼意次に策略を授け、思うままに働けるように、老中格という離れ業を命じる
ようやく家重の真の姿が皆んなに知れました
忠光が、家重に
「不如意なお体で、まいまいつぶろのごとく、のろのろと、ですが、大きな殻を見事、背負いきって歩かれました」と
二人しかわからない会話で、忠光が家重の冗談に吹き出したり
最後の登城で、家重に別れを告げ、大手門(江戸城正門)から、家重に見送られる忠光
家重の良き理解者は 吉宗 御庭番の万里 老中の忠音 正室の比宮 側室の幸
最終章で、家重の息子の家治と、忠光の息子の忠喜の会話が、盛り上げます
二人の息子が、それぞれの父を語り合うところ、読後感満載でした
お読み頂きありがとうございます
素敵な一日をお過ごし下さい(^^)
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