goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(九月と七月の姉妹)デイジー・ジョンソン

★九月と七月の姉妹


英国の作家デイジー・ジョンソン 


ニューヨーク・タイムズ紙の「2020年の百冊」にも選出されています



十ヶ月違いで生まれた姉妹、セプテンバーとジュライ 



我の強い姉は、妹を支配し、内気な妹は、それを受け入れ、二人は他者を必要としないほど、強く結びついています 



癒やしではないけど、家庭内の支配・被支配のテーマは複雑ですが、考えさせられる一冊



学校で起きた事件で、セプテンバーは亡くなってしまいます 



これをきっかけに、母のシーラはジュライと、オックスフォードから、ノース・ヨーク・ムーアズの海岸にぽつんと立つ古い家(セルトハウス)に引越します



以前住んでいたセルトハウス 


夫も若くして事故死し、セプテンバーも亡くしたシーラは、セルトハウスの方が、まだましだと判断したからだが、、



ジュライは、セプテンバーが生きて自分に関わっているような体験をしてしまいます



白昼夢でしょうか 

ホラーチックのような 



でも読んでいくうちに、家庭内における脅威 家族の支配と被支配の関係 が



父母から姉妹へ続く連鎖を、支配される側から、ジュライとシーラが一人称で語られています 



不安と緊張の臨場感、読者には、魅力的なのかもです



・セプテンバーがやったこと 

血を使って約束させた 

私の誕生日を自分の誕生日と同じにした 

母さんにひどい態度をとった 

私に香水を万引きさせた 

私を転ばせた 

私の眉を片方競り落とした などなど 


・セプテンバーがやったよいこと 

私を愛してくれた 

私の面倒を見てくれた などなど



本当に存在していたのは、セプテンバーだけで、私は付属品 セプテンバーが私の中で身じろぎし始めている と



作品では、「セプテンバーが」の書き出しがこれでもかと出てきます 



原文通りなのでしょうが、日本語だと少しお腹いっぱいになりました 



お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい😊