goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(ぶぶ漬屋稲茶にございます) 今井絵美子

★ぶぶ漬屋稲茶にございます


余命宣告を受けた著者が、くじけることなく、前向きに生きていきたいと願いをこめた作品です



作品の中にも、乳がんで、余命幾ばくもないと宣告された女性の最後と心意気が、書かれています



勝海舟と父親の生き様を描いた「父子鷹」がありますが、、



母親に頭が上がらない夢之丞と、母の真沙女のやり取りは微笑ましく「母子鷹」、、



くすっと笑える箇所が沢山ありました



店名の「稲茶」は、広島市鉄砲町に実在し、その名前を拝借したそうです



さて

夫が賄を受けたという、いわれのない咎で西国の藩を追われ、親子三人で江戸に出て来て十四年


夫が亡くなってから十三年


夢之丞は、士官の道をあきらめ、道場の師範代、出入師で生計をたてています


出入師とは、人と人との間に立ち、双方の言い分を聞いて渡引する 仲裁役のような、その手数料が収入となります



真沙女は息子・夢之丞の仕官だけを頼みに、地道に生きてきたが



あるきっかけで、お袋の味のお惣菜とお茶漬けの店をはじめることに



夢之丞は、生き生きとしている母の姿を見て、陰ながら店をもりたてます



燕来る

ぶぶ漬屋稲茶にございます

海原に小舟漕ぐ

さやけし

 の四編


いつもながら、登場人物達のきめ細やかな心情が描かれ、じーんときます




お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい(^^)