goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(また明日会いましょう)小手鞠るい

★また明日会いましょう 

 ホテル・リリーガーデンの五日間

 小手鞠るい


著書は、ニューヨーク州ウッドストック在住



若いころは、バックパッカーで、安宿=キリ・ホテルの旅に出てたそう



例えば

インドのガンジス川の畔、ホテルのシーツは、1週間洗っていなかったのでは さすがにホテルに申し出でたが、目の前のシーツを裏返しされただけ



インドネシア、VIPルームのホテルではバスタブがコンクリート、冷たい水、苔藻が付いていた




●さて、物語は

西新宿のはずれにあるシティホテル「リリーガーデン」は、「アットホームでフレンドリーなサービス」を売りにしている



和泉喜子はそこのフロント兼コンシェルジュ



同ホテルにカンヅメしている作家の卵・高橋愛は、女性を主人公にした小説を、五日間で完成させねばならない



題材は、和泉のスーパー・コンシェルジュとしての活き活きとした日々と、コンシェルジュになった理由だ



お客さまのご要望に「“ノー"は言わない」「不可能を可能にする」職業であるコンシェルジュならではの悲喜こもごも



例えば

サラリーマンに領収書を二つにわける(会社用とアダルトビデオ用)



ホテルボーイには、すまんマンとごめんボーイが



変なお客さんは、いつでもいる 



コンシェルジュは、フランス革命の牢獄コンシェルジュリーから 門番がコンシェルジュだ



和泉は、せつない恋を胸に秘めながら、最上級の笑顔でお客様の無理難題に応える




●途中から小説家愛ちゃんの出番


燃える闘志をみなぎらせて、得意の「鼻からため息」で頑張る新進気鋭の小説家



曰く


人の心の80%は、他人に理解言語化できる


残り10%は、本人にだけ理解言語化できる


あと残り10%は、本人に理解できない、心の闇


それを言語化するのが、小説の役目仕事




愛ちゃん、新人賞の候補になり、結局は、賞は取れなかったけど、、



それからは、編集部の甘い言葉に書きつつ、バイトの掛け持ち、でもボツ行進曲ばかり



しかし、編集の横山マリさんが、地獄の底を這い回っていた愛ちゃんに一本の蜘蛛の糸を垂らしてくれた



小説には水位がある それは


小説の神様に奉仕するかのごとく書いていき、全体の半分まで書けたとき、



半分残っているけど、実は後半の水位は上がっているので、残りは四分の一なのだ と



物語の語り部(一人称)、和泉=私 愛=わたしの組立は、読んでいる一人ひとりの私の物語になるはず



無心で書いているうちに復讐が消えたと



復讐の代りに献身が姿を現した



この仕事が好きだから この喜びは、他人の喜びになるはず



自己満足や自己実現を超えたもの 献身こそ、真の意味での創造につながる



愛ちゃんは、境地に達したのですね




お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごしください(^^)