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読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(高砂や 樽屋三四郎 言上帳)井川香四郎

★高砂や 樽屋三四郎 言上帳


作者は、テレビ・暴れん坊将軍の脚本家



若き江戸町年寄の物語 シリーズ完結編



江戸町年寄は、全国の町人代表であり、将軍に謁見することもできたそう 


江戸町奉行の配下で、町政を担う護民官的存在


現代のように代議士制度がない時代、庶民の意見を「言上帳」にして町奉行に届け将軍に上申すると



娯楽時代小説ですが、現代の事件を江戸っ子の姿を借りて描かれてます 



主人公の三四郎は、正義感の強い若い青年(25歳くらい)


町木戸や自身番や町火消の鳶という自警システムの他、架空の役・百眼が登場



百眼は、凡人には気づかないわずかな異変を、事件の予兆を知り、大きな事件になる前にかたづけてしまう と



🍀将軍吉宗が、観能中の江戸城内に、凧のような不審な物体(お化けクラゲ)が、飛来した 



三四郎は、もと薩摩藩の花野風雷(カラクリ発明家)を調べる 



幕府は、薩摩と琉球の密貿易を黙認している


薩摩藩は、琉球使節が、貿易の不当な取引を幕府に直訴するのでないかと



だから薩摩藩は、お化けクラゲで混乱を起こし、直訴をつぶしてしまおうと考えたらしい



また、薩摩藩は、万一幕府との戦に備えてなど物騒なことも判明



そこで、三四郎は、無用の争いを避けるため、町場で起こったお化けクラゲ騒ぎとして落着させようとする




🍀感無量

幕府は、財政難にあえぐ武家を助けるため、棄捐令発令していた



そうなると困るのは、札差や両替商だが、それに付随して商人や職人などにも影響が



なんとか手を打つのが、町年寄の務め 困窮した庶民の愛憎劇が描かれています



その中に、感無量という言葉が

感無量は、阿弥陀如来の光によって、明るく、温かく、幸せに生かされていることへ、感謝することだ



🍀日陰の女

三四郎は、町年寄達と、棄捐令により困窮する庶民を助ける妥協案を探っていた



そんな中、百眼の与茂助は、三四郎に、棄捐令強行派の目付けの重森と勘定奉行の大河原に油断しないようにと言い残す



🍀高砂や

棄捐令強行派に、与茂助は罠に嵌められ、佳乃は拐われる



棄捐令の狙いは、幕臣達の借金は棒引きでなく、幕府が貸した金は損していいから、負債を少なくすることだ



幕府は、身軽になり、来年から年貢・国役金・高掛物から運上金、冥加金などの税と、鉱山経営や長崎交易によって、財政を一からやり直すことができる 



最後は、勘定奉行の大河原が、役職を得るため、商人からの賄賂や借財を使ったことも判明



幕府も折衷案と財政改革で、なんとかこぎつけ、三四郎と佳乃の高砂やで、めでたし、めでたし



🍎 🍊 🍌 🍇 🍉 🍑 🍓


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