心地よい風 読了(この世界から出ていくけれど)キム・チョヨプ
★今日の散歩
心地よい風、いつもこんな感じだといいのに
道ばたに、淡い色のコスモス
★この世界からは出ていくけれど
「わたしたちが光の速さで進めないなら」に次ぐ日本での第二短編集
1993年生、女性作家
工学部出身、翻訳の関係で、身体に馴染むまで、少しかかりました
宇宙、環境汚染、感染病、クローンなどを使った、SF物語
最初は、技術面を出し、徐々に感情によるオチ?人間的です
例えば
人々の交流や、すれ違い
多数派と、少数派
理解出来ても、親しくなれない
理解し合えない、悲しさ
それでも相手を、想いやるが共存
などなどでしょうか
作者は
わたしたちは、感覚バブルに閉じ込められて生きていて、それぞれに、これが本物と信じて生きています
わたしたちが、本当に感知できるのは、数万通りのうちのひとつかもしれない
ふとした瞬間にバブルが弾けたり、触れ合ったり、そんな瞬間を不器用に描いてみたい
と
●最後のライオニ
不滅の人間たちが暮らしていた都市で、免疫システムのわずかな変化に死の恐怖を広める感染病が
ライオニは、彼らのクローン、しかも欠陥を持っていたが、逃亡し、仲間と要塞を作る
探査したわたしが、体験したこととは
●マリのダンス
ダンスのレッスンを希望したマリ
彼女は、特殊な障害を持つひとり
わたしは、マリが踊ることで、ある意味のテロをしかけるつもりであることに気づいた
●ローラ
三本目の腕を欲しがるローラ
解決策が、脳を治すのでなく、新しい腕を取り付けることだった
理解できないジンだったが、ローラに寄り添うことを決心
●ブレスシャドー
ブレスシャドーの人々は、呼吸から意味を読み取る
空気に八つばかりの粒子があれば、認識できる
他方から来たジョアンとは、通訳機を使わないと話しができない
●古の協約
地球からの探査船を迎えた、惑星ベラーダの人々
謎の生物オーヴ(神経毒性物質が脳を破壊する)が自ら眠ることで、ベラーダの人々を生かしていることを知る
●認知空間
認識空間の管理者のわたし
共通知識の組織化と、空間拡張プロジェクトに献身していた
わたしの頭から生まれたイヴの影響で、その空間の外に出ることに
●キャビン方程式
他人より時間の流れが何十倍も遅い姉
その姉から3年ぶりに手紙が
観覧車の怪談を調べてくれと
やがて姉妹で、適合した条件・状況下なら、時間バブルを感知できることに
どの短編も、一定の歩み寄りが感じられ、希望が持てる終わり方でした~
お読み頂きありがとうございます
素敵な一日をお過ごし下さい☺
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