goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

心地よい風 読了(この世界から出ていくけれど)キム・チョヨプ

★今日の散歩


心地よい風、いつもこんな感じだといいのに



道ばたに、淡い色のコスモス




★この世界からは出ていくけれど




「わたしたちが光の速さで進めないなら」に次ぐ日本での第二短編集



1993年生、女性作家



工学部出身、翻訳の関係で、身体に馴染むまで、少しかかりました



宇宙、環境汚染、感染病、クローンなどを使った、SF物語



最初は、技術面を出し、徐々に感情によるオチ?人間的です 



例えば

人々の交流や、すれ違い

多数派と、少数派

理解出来ても、親しくなれない

理解し合えない、悲しさ

それでも相手を、想いやるが共存


などなどでしょうか



作者は


わたしたちは、感覚バブルに閉じ込められて生きていて、それぞれに、これが本物と信じて生きています 


わたしたちが、本当に感知できるのは、数万通りのうちのひとつかもしれない 



ふとした瞬間にバブルが弾けたり、触れ合ったり、そんな瞬間を不器用に描いてみたい 




●最後のライオニ

不滅の人間たちが暮らしていた都市で、免疫システムのわずかな変化に死の恐怖を広める感染病が


ライオニは、彼らのクローン、しかも欠陥を持っていたが、逃亡し、仲間と要塞を作る 


探査したわたしが、体験したこととは



●マリのダンス

ダンスのレッスンを希望したマリ


彼女は、特殊な障害を持つひとり


わたしは、マリが踊ることで、ある意味のテロをしかけるつもりであることに気づいた 



●ローラ

三本目の腕を欲しがるローラ


解決策が、脳を治すのでなく、新しい腕を取り付けることだった 


理解できないジンだったが、ローラに寄り添うことを決心



●ブレスシャドー

ブレスシャドーの人々は、呼吸から意味を読み取る 


空気に八つばかりの粒子があれば、認識できる 


他方から来たジョアンとは、通訳機を使わないと話しができない



●古の協約

地球からの探査船を迎えた、惑星ベラーダの人々 


謎の生物オーヴ(神経毒性物質が脳を破壊する)が自ら眠ることで、ベラーダの人々を生かしていることを知る



●認知空間

認識空間の管理者のわたし


共通知識の組織化と、空間拡張プロジェクトに献身していた 


わたしの頭から生まれたイヴの影響で、その空間の外に出ることに



●キャビン方程式

他人より時間の流れが何十倍も遅い姉 


その姉から3年ぶりに手紙が 


観覧車の怪談を調べてくれと 


やがて姉妹で、適合した条件・状況下なら、時間バブルを感知できることに




どの短編も、一定の歩み寄りが感じられ、希望が持てる終わり方でした~



お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい☺