goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(信仰)村田沙耶香

★信仰


芥川賞を受賞「コンビニ人間」が世界38の国と地域で翻訳されています


「信仰」 永岡は、一見すると、しっかりした普通の女性に感じていたのですが


途中から、彼女の深さや闇が、、


また、小柄色白、大人しくて真面目で、担任からも信頼されていた斉川さんが、カルト商法のリーダーに、、


その展開に驚きながらも、何故そうなったか「なるほど~」


読み応えありでした



他に、未来の日本に存在する、野人や、「均一」という概念やイマジナリー宇宙人など



題材や発想に世界で読まれる本なんだ〜と実感しました 



★信仰

「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」と石毛という同級生から勧誘される



永岡の好きな言葉「原価いくら?」現実こそが正しいのだと、強く信じている



カルト商法を始めようと誘われた彼女は、「現実」とそれ以外の違いに悩む



著者いわく



たとえば、なにかにとてつもなくハマってる友達に対して


「今染まっちゃってるだけでしょ」という扱いをしたとき


その人にとって、大事にしていることを軽視して、自分の考える現実に勧誘している感覚が、あるという


それは暴力性があり、そういう違和感や恐ろしさを覚えて、その正体を書きたいと作品にしたと



★生存

65歳の時点で、生きている可能性を数値化した、「生存率」


それが何よりも重要視されるようになった未来の日本


生存率「C」の私は、とうとう「野人」になることを決めた



★書かなかった小説

「だいたいルンバと同じくらいの便利さ」に後押しされて、クローンを4体買うことに


自分を夏子Aとし、クローンたちを夏子B、C、D、Eと呼ぶことに



そして5人の夏子たちの生活が始まいます 少し怖い話



★最後の展覧会

とある概念を持つ星を探して、1億年近く旅を続けてきたK


彼が最後に辿り着いた星に残っていたのは、1体のロボットだけだった


Kはロボットと「テンランカイ」を開くことにする


ドイツから「松方幸次郎とカール・エルンスト・オストハウスの架空の出会い」をテーマを依頼され、書いた作品



★カルチャーショック

イギリスから「旅」をテーマに依頼された作品


「均一」に住んでいる僕は、パパと「カルチャーショックの街」に

出かけた



★土脉潤起どみゃくうるおいおこる


姉が「野生に返る」と言って家を出た  姉は、「ぼう」と言葉しか発せなくなった


数年したら、言葉を忘れるかも 


自分は女性三人暮し

一人は仕事

一人は家事パート 

私は、人口受精で三人で子供を持とうと



★彼らの惑星へ帰っていくこと

幼稚園の先生は、繊細泣き虫大人しすぎる私を心配


「異物になっていけない」 


私は周りの子供を真似し、普通の子供であるように振る舞った


誰より平凡な地球人になりたかった 


宇宙人であるのがばれないようにだ 


イマジナリー宇宙人達とのふれあいは、私の人生に影響を与えた



★気持ちよさという罪

個性は、大人達にとって気持ちいい想像がつくちょうどいいもの



素敵な特徴をみせて厄介なものだ


「平凡さ」を演じれば楽 


多様性には、気持ちのいい多様性と気持ちの悪い多様性がある



「クレイジーさやか」と友人に言われるのは、愛されて嬉しいが



テレビやネットで、そう呼ばれると「受容」に見せかけたラベリングであり、排除されていると


多様性と勘違いを書いた作品

わかるようでもあり?でした



お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい(^^)