goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(ひかりの魔女)山本甲士

★ひかりの魔女


ひかりは、大学浪人生の真崎光一のおばあちゃん



おばあちゃん(85歳)は、同居していた長男が亡くなった為、真崎家に



離れて暮らしていた祖母と同居、ウチはこれからどうなるのか? 孫の光一が語り手



光一(いい子)は、リストラされそうな父(ばあちゃんの次男)、パートの弁当屋を辞めさせられそうな母、不良の中三・妹が家族



残ったところ


🍀ばあちゃんは、いつもニコニコ褒め倒す、これまで人にした親切が、回り回ってばあちゃんや周りの人を幸せにしている 料理上手、書道好き



🍀※立禅のおかげか、朝早くからてきぱきと家事を片付け、エスカレーターも手すりも使わず駅の階段を上る 



※立禅は、両足の指で地面をつかむように力を入れ、頭を引揚げられている感覚で、腰の後ろを真っ直ぐにして立つトレーニング



腰痛に効く

大腿部や尻に筋肉がつく

心臓に負担なく年寄りでも続けられる 



内臓を強化するので、うたた寝をしているときなどに、手が勝手にぴくっと動いたり



それが気の力が溜まっていることを示し、身に危険がせまっている時は、とっさに理にかなった行動を取ることができるらしい



🍀光一に「あんなに演技しなくても、普通に席(バス)譲ってもらえるよ」



ばあちゃん「そうかもしれないけど、しゃんとしてたら、ためらうでしょ  ほら、年寄り扱いするなと怒る人もいるから」



🍀以前の書道教室で教え子の話

ばあちゃんの「もう少し小さな声でしゃべるようにしてくれる」と頼むような言い方して



言う事聞いてくれたら、みんなの前でお礼を言ったりほめたりする



みんなは、ばあちゃんにほめられたくて、競うように自主的に他の子の靴を揃えたり、おしゃべりが過ぎる子を注意したり



みんな自然と礼儀作法が見についたようだ



「あの落ち着きのなかった子が、ちゃんと座っていられるようになったのは、あなたを見習うようになったからだね ありがとうね」 と



🍀「ばあちゃんに、1番可愛がられたのは自分!」こう言い切れる教え子(書道教室)や家族



🍀用美道(ようびどう)は、機能性があり、それが美しさを備えており、正しい生き方につながっていなければならない 



例えば日本刀は

切れ味が鋭く扱いやすく実戦的

同時に優れた刀工による美術品


さらに刀に対する哲学(剣術の腕を磨き、相手を斬ることなく争い事を未然に防ぐ)がある



🍀ばあちゃんは週一買い物するが、炭と七輪でご飯炊き、予熱で野草のおひたしや味噌汁の出汁をとった昆布鰹節で佃煮をつくる 


その中で鰯のぬか炊きが美味しそう



🍀雨の日は、野草摘みを中止

自室で書道 夕方は立禅、朝と同じに雑炊を食べる 



ばあちゃんは何事に対しても薄い紙を一枚ずつ重ねるようにして、やがて、分厚い塊を生み出している



🍀次男がリストラになり、ばあちゃんに再就職の世話を頼まれた園部(教え子)さん



息子のプライドを傷つけないように、演出



次男自身の人脈により、今の勤め先を救い、リストラの危機を乗り越えたにした 



ばあちゃんの教え(優しいうそ)が、園部さんに引き継がれている



🍀ばあちゃんは、他人の潜在能力引き出すために、多少うそをついたり、演技したりするけど、自分の利益のためでない



🍀また、家が貧乏だとか、家庭の事情が複雑だとか、そういった問題を抱えている子供や若者を、ばあちゃんは、独特の嗅覚で気づく能力がある



また、ストレートなやり方でなく、相手の自尊心を傷つけずに、やる気スイッチを出させる 



そして元教え子たちは、大人になって気づくのだ  

実はばあちゃんが、優しいうそをついてくれたことを



その事で、余計に敬愛の念が強まる



🍀回りも、そのやり取りを聞いて、周囲の若者達も「良い時間を共有したな〜」みたいな表情に




小柄で温厚なおばあちゃん(表紙のイメージ)、多くの人に慕われてるし、家庭も好転してるし、出来過ぎ感ありましたが、良かった〜



🍎 🍊 🍌 🍇 🍉 🍑 🍓


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読了(国家と教養)藤原正彦

★国家と教養


ベストセラー「国家と品格」の作者



教養とは、世の中にあふれるいくつもの正しい「論理」の中から、最適なものを選び出す「直感力」



そして「大局観」を与えてくれる力であり、バランス感覚だ 



そのバランス感覚によるアウトプットのひとつが、ユーモアだと



以前、アメリカ帰りのエコノミストらが、終身雇用や、株式持ち合いなどの日本型資本主義を、悪玉に仕立て上げ始め



早急にグローバル・スタンダード アメリカ型資本主義、新自由主義、市場原理主義に改めろと



こうして、自由競争の名のもとに、改革したが、経済は一向に浮揚しなかった



経済上の変化が、人々の優しさ、思いやり、卑怯を憎む心など、日本の誇るべき情緒までも蝕み始めた 



日本が、物事を金銭で評価するようになり、ヒト、カネ、モノが自由に国境を越える、という新自由主義が着々と完成している



社会全体を変えるような劇的改革を、なぜ急激に行うのか疑い始め、調べた



すると、アメリカの影が現れた



日本は、アメリカからの要求を、不況を心配してくれる親友からの助言と取り、受け入れ続けた



これはネットに出ていたものを自分で納得し、つなぎ合わせたものだが と



以下残ったところ


🍀郵政改革、アメリカの欲する改革を何故か日本の政官財と大メディアが賛同、国民を洗脳させてしまう



アメリカでは、ジャパンハンドラー(日本を操る学者・政治家)のケント・カルダーが、郵貯の活用が、世界経済活性化につながるという論文を書いていた 



日本財布論・日本に使わせないで、米国で使おう(今の投資ブームもそんな感じか?日本人に海外の銘柄を勧めている?)



結局、郵政改革は、民間化され株式が公開、アメリカが300兆円の運用権を握った など



🍀CIAは、冷戦終結で、共産圏が霧散し、生き残りの手段で、ターゲットを経済戦略に切り替えた 



ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)、チリの軍事クーデター、スリランカ、イラク戦争後のイラク、ボリビア、ウルグアイ、アルゼンチンなど



小さな政府・規制緩和・民営化して、それらを米金融資本が買収、その経済圏を植民地化する



🍀新自由主義は、利潤を最大にすること


競争と評価の組み合わせで、効率と能率を追求、成果主義 これは、社会や精神に強い影響力を及ぼす



🍀1922年、ソ連が誕生、世界に与えた影響は、レーニンによるコミンテルン(共産主義インターナショナル・スパイ)の組織化



真珠湾攻撃の挑発となったハル・ノート(日本を侮辱する内容)により戦後、明らかになり



これを書いたハリー・ホワイトは、スパイ容疑で召喚、服毒自殺した 1995年にハリーはソ連のスパイであることが公開された



🍀手塚治虫は、君たち、一流の映画・音楽・芝居・本だ そして自分の世界を作れ



🍀英国人は、本能的経験的に論理の危うさに敏感、バランス感覚・ユーモアあり、こずるくのりこえた ドイツはその反対


 

🍀ケネディ大統領は上杉鷹山を尊敬していたが、彼のような哲人なら、その人にまかすのが最善で


間違っても民主主義(多数決)は駄目だ



でもそういう人が、今はいない(いるはずだが)



そういう時は、政治家も選ぶ国民も、十分な教養を持つしかない



歴史上、いかなる国家も成熟した国民という状態はないが、、



未熟な国民に、民主主義は最低の政治システム



🍀本を読む時は、常に自らの頭で納得しない限り信用しない



バーナード・ショーは、ドン・キホーテは読書により紳士になった そして読んだ内容をそのまま信じたため、狂人となった と



🍀キケロは、本を読むことは人間として生きること



🍀教養の四本柱 

①人文教養(文学・哲学) 

②社会教養(政治・経済・歴史・地政学) 

③科学教養(自然科学・統計) 

④大衆文化教養(古典含む)

 →これらを育むのが読書



🍀江戸末期に来日したイギリス人は、庶民が立ち読みしている姿を見て、この国は植民地にできないと悟った と

 


アメリカから内政干渉をされ、そしてアメリカの侵略する手口のうまさと地道さ、それに気づかない日本〜



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読了(八丁堀のおゆう 千両富くじ根津の夢)山本功次

★大江戸科学捜査・八丁堀のおゆう 

千両富くじ根津の夢


シリーズ10巻のうち、3巻

このミス大賞受賞


江戸ではおゆう、現代では優佳の名前で、二重生活 おゆうの祖母も江戸と現代を行き来していた



おゆうは、八丁堀の同心、鵜飼伝次郎から十手をもらい、江戸の事件の解決にあたる



おゆうは、伝三郎の事を完全に江戸の人間と信じて疑っていない



でも、伝三郎は「陸軍特別操縦見習士官だった終戦直後、時空の歪み(江戸時代)に落ち、以降は当時に戻れないのであった



伝次郎は、おゆうの言動から「自分と同じく、未来から来た人間ではないか?」と推測しているが、どの時代かははっきり分からないでいる



未来から来た人間と推測するも、2人の間には70年以上の時代の開きがあるのだ




🍀さて、今回は、伝説の大泥棒「疾風の文蔵」が7年ぶりに現れたと



似た手口で蔵破り、千両箱が盗まれた



怖い頑固親父の岡っ引きに睨まれたり、悪そのものと思うような岡っ引きが出てきて惑わされる



おゆうを伝三郎、源七、千太ら仲間が頼もしく助けます



実は、文蔵は7年前に一味の弥吉に殺されていた



弥吉はこの7年間、安徳寺に隠れ住職になりすまし、寺での賭博などで資金を稼ぎ



その資金で寺社奉行などに働きかけ、位の高い寺(明昌院)に鞍替えしていた



明昌院は、千両富くじで有名



おゆうは、現代にたびたびもどり、指紋鑑定、DNA型鑑定、ルミノール反応など捜査手法で事件の解決に近づきます 



捜査手法は、江戸の世では存在しないので、どうやって江戸の人達に納得させるかというところが読みどころ



表向き、寺社奉行など黒幕には影響が及ぼさないような落とし所で落着(よくある話)



でも、おゆうは、誰も分からないように、真実を解き明かし、めでたしめでたし



おゆうと伝次郎、お互いに好意を寄せている2人



良い雰囲気になると必ず、邪魔が入るお約束なところもあり、サクサク読めました〜



🍎 🍊 🍌 🍇 🍉 🍑 🍓


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