goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(出世する武士、しない武士)大石学

★出世する武士、しない武士


江戸の出世をめぐる物語


沢山の人間模様がある中、伊藤博文をわらしべ長者、強運と世渡り上手と評しています


🍀伊藤博文 

松陰に才能をみいだされていた


小五郎らと尊皇攘夷運動の先兵


幕末、下級武士から出世した人は現状維持を考える必要なく、ゼロベースで新しい発想できた


博文は公金横領(後から藩説得)して密航の費用にした


商船に乗り込み、渡航目的を「海軍ネイビーを学ぶこと」を間違えて、「航海術ナビゲーション」と言ってしまい、イギリスまでの半年間、学生でなく水夫と扱われて悲惨な目にあった



下関戦争での和睦交渉で、博文の英語力で、晋作の機転もあり、戦争責任を幕府に転嫁することに成功、莫大な賠償金を回避



海外兵と武士の事件の交渉役に、原因は言葉が通じなくお互いの習慣を理解していないもの



日本は切腹処分で世界にハラキリを印象づける→博文は文明国同士のつきあいや国の信用を考える



兵庫県知事→日米修好通商条約の条約改正の岩倉使節団で渡米、交渉



内閣制度の導入で、三条実美でなく、博文が総理大臣に


強運と努力と度胸で、農民から総理大臣に




🍀小栗上野介忠順

博文が勝ち組なら、負け組


幕府最後の改革者でありながら、慶喜に嫌われ、最後は新政府に捕われ斬首



🍀井伊直弼

評価が分かれる


32歳まで部屋住みで貧しい生活


直弼が大老になった時、「日米修好通商条約を拒否して列強と戦う」か、「条約を受け入れ攘夷派との内乱を戦う」の二者択一だった


列強と戦っていたら、清のような植民地になっていたかも



🍀上杉鷹山

ケネディ大統領に尊敬する人といわれたが、逆らう重臣たちを一掃した



🍀柳生十兵衛

江戸時代に活躍した史実がないのに、創作が独り歩き、なぜか好かれた



🍀松平信綱(松平伊豆守、家光のころ)

知恵伊豆と呼ばれる

仕事はできるのに、嫌われる(コミニケーション能力が?)



🍀遠山金四郎

上司に嫌われ、閑職に 弱き味方



🍀大久保彦左衛門

太平の世の中になり、リストラ待ち期間に書いた愚痴本がベストセラー



🍀榎本武揚

幕府で失脚、新政府で出世



🍀伊能忠敬

50代半からセカンドキャリア

日本地図があまりにも精密なため、幕府は秘蔵 この地図をシーボルトが持ちだそうとする



🍀佐久間象山

時代を先取りしすぎ、危険思想扱いされた



🍀久坂玄瑞

長州藩の過激派リーダー 

松陰の妹を「顔が好みでない」と一度振る



🍀長谷川平蔵

下に好かれ、上に嫌われ、あまり出世できなかった



🍀田沼意次

石高95倍の出世、賄賂で有名

米以外の収入に目をつけるアイデアマン

財政改革(株仲間など)

開明的で新しいもの好き



🍀大岡越前

実直なオペレーションが目にとまり、奉行は普通60歳だが、最年少42歳で抜擢された



🍀柳沢吉保

将軍に代わり意思決定 


綱吉に気に入られただけに「虎の威を借る狐」といわれたが、最近は、公平で誰からも好かれる人物と評される



🍎 🍊 🍌 🍇 🍉 🍑 🍓


お読み頂きありがとうございます😊

素敵な一日をお過ごし下さい(^^)

読了(異世界居酒屋のぶ)蝉川夏哉

★異世界居酒屋のぶ 三杯目


グルメファンタジーシリーズ

17まであります


漫画的ですが、料理を楽しみながら、人間の基本的なことを題材にしてます



♣流れ♣


料亭「ゆきつな」の娘と元板前は、裏口を通じて現代と王国アイテーリアを行き来している


二人はアイテーリアで居酒屋を営み、周りとつながっている


看板娘しのぶ、大将信之以外は、王国アイテーリアの人物


アイテーリアの元衛兵ハンスは、見習い料理人


元女傭兵のリオンティーヌは、店員



🍀居酒屋に、貴族、職人、徴税請負人、聖職者、役者、商人が訪れる



🍀料理と酒が、カタカナ表記

トリアエズナマ

クシカツ

コダテナベ などなど



🍀世襲を嫌い、独身希望なアイテーリアの皇帝は、東王国(オイリア)セレスとお見合いすることに乗り気でなかった 



しかしある日一目惚れした相手は※セレスだった めでたしになるまで


※セレスは、一流の外交官として知られる王女摂政官だった 謀略に関して言えば、腕は一流



🍀料理見習いのハンスは、父と折り合いが悪い 兄は父の弟子だ 三人が元に戻るまで


大将はハンスにノレンワケを考えている 


居酒屋ノブの裏口が異世界につながっている限り、醤油も食材も分けられるが


いつまでも異世界の食材に頼り切っていては、何かあっても裏口が使えなくなってしまえば、何もできなくなる



🍀ハンスは、職人が競うべき相手が、自分自身だということを直感的に知っている 


負けん気の強さは人に負けたくないでなく、負けている自分を不甲斐ないと思うからだ



🍀大将は、ハンス父に「ハンスは、努力する才能がある」と


父は、努力する才能なら兄も持っている


父は、大将の言葉で、兄をしばっていたことに気がつく



🍀聖職者エドウィンは、居酒屋は命の洗濯


一日三食、粗食で回数を無駄にするよりも、機を捉えて美味いものを食べてから、神への土産話を増やしておくのも聖職者として功徳ではないかと



エドウィンは、無駄に長く生きてきたと自負する 


これまでに何人もそうやって潰れていく若者の姿を見たから、少しだけお節介を焼いてみようという気持ちになった



♦その他♦

ソースをつけ足りないなら、キャベツをサジに見立て、ソースをすくう 何事も抜け道がある



ミズタキの豆腐、柔らかくて主張せず、それでいてしっかりした存在感がある 兄にどこか似ているところがあるのだろう



お品書き(10頁〜20頁)15品

スキマ時間でサクサク読み可能、だから人気?



🍎 🍊 🍌 🍇 🍉 🍑 🍓


お読み頂きありがとうございます😊

素敵な一日をお過ごし下さい(^^)

読了(禅的生活)玄侑宗久

★禅的生活


しょせん、自分は、この身と心で生きてゆくしかない 


ものの見方について、僧侶である作者が、禅語をもとに「今」「ここ」を充実させようと書いた一冊



残ったところ


🍀行きすぎた表現=志は、危険だ


金子みすゞは「私がさびしいときに、仏様はさびしいの」と言われたら、「それは違います」と



宮沢賢治は、「世界全体が幸福にならないと、個人の幸福はありえない」という表現 



個人の幸福の集合体が、世界の幸福であるしかない



禅的な志は、外的困難に屈せす、自分は人生の主人公として自信をもち、地域に根をおろし、そこから滋養をもらい「松」のように淡々と生きる



🍀ズボラという言葉は、「坊主」を逆さまにした「主坊」の複数形



🍀大雑把だが、西欧の自由な自己は、神と理性のせめぎあい



東洋的自己は、心身を全的に捉える考え方があり、理性・感情・情緒・体も自己だった 



自己を死ねまで問い続ける

答えは「生き方」だ



無数の引き出しが、自分の可能性だが、現実に暮らすには、いくつかの引き出しで足りる 



だからチャレンジ精神・背伸びして高い引き出しをあけ、遠くの引き出しもあけてみる



習慣で頻繁にあける引き出しも決まってくる



愚痴・怒りならば、その引き出しはゆるむ 



無限の可能性と、実際の自己は習慣による



禅は生活から離れない



🍀貧乏な暮らしや、妻に先立たれたことを、全面的に自主的なものとして認めることについて


これは本心でそう思えでなく、方便


我々は意識だけは、思ったように働かせることができる 


現状が全て自分が欲した事態であると仮に思ってみる


それは、ずっと続くことを望むということでなく、「日日是好日」のように、一日一日は独立しており、一瞬一瞬はひとつの流れとしてつながってはいないということ


今という足場にしっかり立つための方便にする



🍀「知足」の考えで、自分の年齢.も肯定するのが禅僧  だから長生きする


「この年になってみたかった、ずっと待っていた、最高だよ」といくつになっても、今を全面肯定 


けっして幾つまで生きるという欲でない 


今の現状の※「知足」の認識だ


※みずからの分をわきまえて、それ以上のものを求めないこと、分相応のところで満足する



🍀禅的に歳を取れば、どんどん硬く頑固になるのでなく、どんどん柔軟になる そして智慧も深まり慈悲深くなりたいものだ



いくつになっても昔と比較するのでなく、「待っていた年」として新しい気持ちで過ごしたい



🍀科学や学問の進歩(蓄積と仮説などに固執)は頂戴しながら、その反対のベクトルの自由をめざす


禅は虫の良い宗教



🍀利休は「名利共に休す=外に名誉や利益を求めない境地」という禅語に由来



🍀妄想を払うことは洗濯に似ている

洗濯のすすぎがよくないと石鹸臭い そんな臭いをとるというイメージ



🍀禅が否定するのは、学習・経験による価値判断や好き嫌いにより「今」に余計なもの=先入観などが介在することだ 



🍀妄想を作り上げるのは、好き嫌いを含めた価値判断、恣意的に積み重ねられた時間を捏造してしまうこと



🍀好きなようにするのが自由だと思うかもしれないが、好き嫌いという感情で正確な判断ができないことこそ不自由だと、禅は考える



🍀禅はなんらかの感情に染まった状態の「心」はあまり相手にしない方が良いと 心を余り信用していない



🍀あくびについて 

普通は疲れたからあくびが出ると考えるが


禅的には、あくびにより脳内の酸素が著しく補われリラックスして心身ともに気持ちよくなったりするから


あくびを意識してみたらと考える



身体と常に対話〜



🍎 🍊 🍌 🍇 🍉 🍑 🍓


お読み頂きありがとうございます😊

素敵な一日をお過ごし下さい(^^)