goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(シェフ)ゴーティエ・バティステッラ

★シェフ


元ミシュラン覆面調査員による

グルメ小説



訳者の田中さんは、フランス料理店をしていらっしゃるそう



日本人のパティシエールも登場



キャリアの絶頂期にあった三ツ星シェフのポール・ベルナールが自殺



ポールの回想と、ポール以外の登場人物の動静が、交互に構成されていきます



ポールは、幼い日に料理上手の祖母が始めたレストランの体験が



祖母の腕(味)を認めた女性で、初めて星を取ったシェフも影響



祖母に連れられていったパリの、鴨料理で有名なあのトゥール・ダルジャンの体験



トゥール・ダルジャン 

Tour d'Argent 銀の塔



歌舞伎座の近くにビーフシチュー銀之塔ひらいがありますね



(残ったところ)

●メディチ家の影響を受け、宮廷で開花したフランス・ガストロノミー(食事と文化の関係を考察すること)は


18世紀末のフランス革命で、市井に流出



●1900年に自動車産業発展のため、タイヤメーカーがレストランガイド配布開始 


ミシュランガイドだ



●1926年に星が登場、星3段階評価に



●1933年、女性シェフのメール・ブラジェが星を獲得 


ポール・ボキューズやベルナール・パコーを育てたことで知られる



●料理人たちは剣闘士、彼らによる「死にゆく者より敬礼を」は、「命をかける気がないなら、ピッツァ職人になれ」だ



●小さく狭い世界に、自我が強くて、大きな野望を抱く人たちが


慎み深さより、アピール力 誰かが転落すると、その友人は、自分の成功を確信する 



●知的で、疑念に苛まれ、孤独だ 

暴力的で、構造主義的で、ブラック労働、嫉妬と裏切り、セックスとドラッグが蔓延する世界



●環境問題、衛生管理、グルテン、甲殻アレルギーに気をつけないと、まじめさが料理を殺したとも(年寄の話)



●フランス政府の思惑で、星を一旦なくす処置も、、



フィクションですが、全て作者が見聞きしたもの 



主人公のポールは、架空の人物

息子マティアスは、モデルがいて



ベルナールの息子のマチュー・パコーだそう 



父親に対する挑戦的な態度、過激な発言、ビジネスセンスの高さ、名声へのこだわりが瓜二つとのこと



三つ星シェフの猟銃自殺というと

2003年のベルナール・ロワゾー

2016年のブノワ・ヴィオリエ

星を失う重圧は大きいという報道もありましたね



フランス美食業界の光と影



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