goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(まことの華姫)畠中恵

★まことの華姫


江戸時代、腹話術師の月草が、相方の姫様人形(華姫)と事件解決していきます 



身の丈140cm程、愛想よく艶やかで毒舌な華姫は、追っかけからの貢物が絶えない



かつて、高僧が掘った真実を告げる井戸から、あがったという玉を



その両目に持ち、事の真相を的中させるため「まことの華姫」と呼ばれる



両国の盛り場を仕切る地回りの山越親分や、その娘お夏も面白く



華姫人形が、自分の意志で話しているように感じられます



腹話術は、古代の聖職者や呪術師が、「交霊占い」で使っていたとか



18世紀には、観客を楽しませる娯楽として、人形を相方として掛け合いするスタイルが確立したとのこと



●まことの華姫

お夏には、おそのという姉がいたが、神田川に落ちて亡くなった 


当初自殺で、原因は山越の親分(父)と考えられたが、、


月草と華姫の推理で、鮮やかに覆される



●十人いた

古着屋の商いが盛んな町を縄張りにする柳原の親分 


火事で逃げる最中、ひとつとふたつの我が子達を見失う 


それから7年、自分がその子だという十人が集まったが


月草と華姫が、子供達を観察・質問していく



●西国からの客

複雑な人間関係


西国の若旦那・銀次郎は、婿に入っていたが


実は跡取りの長男がいて、江戸に探しに 


月草と華姫は「会えるし、会えないともいえる」と


その理由とは



●夢買い

無責任な人達の事件の推理が、当事者を鞭打つという 


現代におけるネットの悪影響を感じさせる作品



●昔から来た死

腹話術の月草 過去のつらい出来事に触れる


華姫の語る「まこと」が、論理的


見落とされた手がかりや、証言をもとに推理


そして、真実が必ずしも、関係者を幸せにするとは限らないと



都合がいい「まこと」なんてないよと思いますが



ファンタジーでありながら、人間くさい結末ばかりでした



あと、いっこく堂を思い出しました〜



お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい🎅