goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(軌道春秋)高田郁

★軌道春秋 ふるさと銀河線

 2013年


作者は、本を読む楽しさを伝えたいと、一般財団髙田郁文化財団の公式サイトを、開設しています



「みをつくし料理帖」「出世花」「あきない世傳 金と銀」が人気



列車と、その町の景色を折り込みながら、各々の生き方を書いた、短編集です



作中

唐の時代に、詠まれた「勧酒」の詩に、「人生足別離」が


これを

●井伏鱒二は、さようならだけが人生だ と



鱒二を受けて

●寺山修司は、さようならだけの人生なら、いらない と



正反対のことを言っているようで、その実、根っ子は同じじゃないかと 今を大切に



「幸福が遠すぎたら」

桜と梅と桃は、京都の大学で司法試験合格を目指していた 


それから16年が過ぎ、三人で京都嵐山駅で合うことに


各々どんな困難な道のりであったとしても諦めずに歩いて行こうと


ぽっきり折れてしまいそうな性根が、今は弾力を取り戻していた



「ふるさと銀河線」

道東の陸別町 両親を事故死で失った兄弟


兄は、銀河線の運転士


妹は、演劇の才能が認められながらも、陸別町への思いもあり、揺れ動いていた



「お弁当ふたつ」

夫(リストラ)をつけて、千葉の外房線と内房線を乗った妻 


翌日、妻は、列車の中で、手作りの弁当を二人で食べ、これからのことをゆっくり話そうと



「車窓家族」

大阪と神戸を結ぶ私鉄電車の沿線


信号待ちで停車するときに見える「文化住宅」


カーテンなし、夕方は、カレーやおでんを食べている老夫婦がまる見え


乗客のうち5人は、その様子を見て、、



「ムシヤシナイ」虫養い

JR大阪環状線の駅のホームにある「駅そば」


店長(70歳)と常連達の関わりは、さらりと


軽く食べて

腹の虫をなだめる(虫養い)に、そばは合う


ある日、店長の孫が家出してきて、、



「返信」

道東 陸別町のハガキを、亡き息子から貰った夫婦が


息子の面影を求め、陸別町に


当時と変わった陸別町で、二人は、満天の星空を見て、、



「雨を聴く午後」

バブルがはじけ、証券会社につとめる若者が、学生時代に住んだ新宿のアパートに 


そこにいると落ち着くが、、


やがて「みっともなくても、俺もあの人も、今を生きる」と



「あなたへの伝言」

新宿のアパートに住むみゆきは、アルコール依存症から立ち直るため、夫と別居


毎朝、夫に通勤電車から見えるよう、物干しの白いソックスが、目印だ



「晩夏光」

アルツハイマーと告げられた、なつ乃


同居を考えてくれる息子に、大学ノートで、思いを残す




じんわり、ほろり、夏バテ予防にぴったりの作品でした〜


お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい😊