読了(植物忌)星野智幸
★植物忌
SFファンタジー短編11編
「忌」を使っていることからも
現代社会を、皮肉りながら
植物と人間の関係を、書いています
読んでいると、植物側へと吸い寄せられるような
作品は、「人間」と「植物」の二択を迫られ、植物であることを選ぶ人間が、たびたび登場します
植物との対話シーンも面白い
植物は、直接ささやきかけてくることもあれば、幻影といった形でも出てきます
「スキン・プランツ」
ファッション・タトゥーとして、植物を、直接肌に植える技術の発展と、人類の生物種としての、進化を書いた
「ディア・プルーデンス」
疫病が、蔓延した世界で、部屋に引きこもる少女と、青虫の交流を、絵本のような世界観で書いた
「ぜんまいどおし」
植物との同化を願って、植物転換手術を受けた青年の経験
その手術を、受けることを決めた元彼女に、思いとどまるように、説得した手紙もあります
「ひとがたそう」
植物の反乱と、それを食い止める、組織ネオ・ガーデナーの抗争
「避暑する木」
たとえ、1本の木が枯れても、別の場所に、飛んだ種が芽吹けば、種の保存が続く
ひとりの少年が、ある強い想いと共に育てた木の種を、人の手を借りながら、世界へと運び、やがて、繁栄へと導いていくプロセスを書いています
「記憶する密林」
植物が、記憶を蓄積するさまが書かれています
「踊る松」松を偏愛するから、ヒントに書いたもの
「桃源郷」
坂口安吾「桜の森の満開の下」を、下敷きに書いたもの
桜は、死体を吸っているから、美しく妖しく咲いている そういう桜の発想をもとに書いた
「喋らん」
開発されたらんは、他の植物とは違い、話しかけると答える
意思疎通しなくても、なんとかなる
どうにかなる
そして、人間の言葉は、壊れてしまう
やがて、人間たちは、人間同士で会話するのが、バカらしくなった
植物の声を、言葉にすることに
力を注いだ作品、、、でした
お読み頂きありがとうございます
素敵な一日をお過ごし下さい😊
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