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読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(光の山)玄侑宗久

★光の山 玄侑宗久



福島在住の僧侶作家である著者が、東日本大震災の生と死の現実を描いた祈りと鎮魂の作品集(7篇)



「光の山」は、芸術選奨文部科学大臣賞受賞



・光の山

原発の除染で出た土や廃棄物の仮置き場になった場所が、山のようになった


放射線量が問題となり家族で反対するものもいたが、爺さんと婆さんは住み続ける 


息子が、2人の遺言により墓を山にたてる その山は、夜になると淡く光りだした




・あなたの影をひきずりながら

避難所にいるお爺とお姉の会話 

東電にいる息子


お爺は、復旧した電車に乗り、牛の世話をしたいと かろうじて生きがいをみつけたと 


引き取られた交番の机のラジオから、港町ブルース「あなたの影をひきずりながら」が聞こえた




・こおろぎ

津波で蝉の幼虫も、海水で流されたりしてしまったが、こおろぎはたくさん鳴いている (亡くなった人)もたくさん鳴いているようだ




・小太郎の義憤

身元不明を明らかにするため、警察から、DNA確認を依頼される妻娘 


検査をしたら、夫が亡くなったという事実と向き合うことになる 葛藤はあるも、前向きに進むと決意




・アメンボ

放射線量が怖い妻娘は、夫に何も言わず北海道に避難 


久しぶりに戻った妻と友人夫婦は、お盆を過ごす 般若のお面とアメンボ(飴坊)が、離婚を予想させる




・拝み虫

妻を津波で亡くした夫は、仮設住宅の結婚式の企画を頼まれる 


ガンで余命宣告された夫は、カマキリ(拝み虫)を妻の化身として、大事に育てる




・東天紅

仏師夫婦が、幸せな顔で亡くなっていたのが、発見された 


引き取り手がない夫婦をお寺に頼みにきた律子と和尚の会話 



仏師が最後に彫った仏像には、東天紅と刻まれていた 実は東天紅は、鶏の名前だった その言われとは





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