読了(夜の木の下で)湯本香樹実
★夜の木の下で
作者は、脚本家小説家
児童文学「夏の庭 The Friends」が世界の十数カ国で翻訳されました
(概要)
ぼくたち三人は、「もうじき死ぬんじゃないか」と噂されている、ひとり暮らしのおじいさんを見張りはじめた
だけど、見られていることに気づいたおじいさんは、だんだん元気になって、家や庭の手入れを始めた
やがておじいさんとも話ができて 少年たちの忘れがたい夏を描く
さて本題
作者は、音大出身 音楽に関する内容もあったが、どの作品も出だしがキレイです
数行読んだだけで、繊細で響きの良い文章だと感じられました 文学作品です
短編6編で、主人公は若く、10代か、もしくは20代
取り戻せない時間や、過ぎてしまった過去を思い出し、今の自分達が登場します
後悔や甘い懐かしさもあるけど、作者の前向きに生きていくが込められています
青春と呼ばれる時期、大人から見れば「なんだ、そんなこと」と思い出させます
その時その場の正しい判断力と行動力が、どうすれば良かったか、今だからわかる作品
そして、それは年を経てもさほど変わらないということもあるかもです
●緑の洞窟
私は、自分より弱い者に対する態度を取るように求められたが、それは自分を守っているような自覚があった
●私のサドル
私は、ひとり取り残されたでなく、彼が経験した欲望からつまはじきにされているのが悲しいのだ
●リターン・マッチ
もっと単純なこと 負けるとわかってもやるしかないことがあるから 変わるのは僕のほうだ
●マジック・フルート
およそ人を愛するなどというものに関わるものは、相手を求めすぎるあまり、自分を見失う
●焼却炉 「話したかった私と話せなかった私、それらが降り積もってゆく しんしんと降り続けるその音を、カナちゃんも聞いているだろうか」
●夜の木の下で
俺は、何かバランスが崩れそうになると、深呼吸して猫缶を買う ・・・そういった一連の痛みが通りすぎると、足もとはしゃんとして、自分を取り戻すことができる
お読み頂きありがとうございます
素敵な一日をお過ごし下さい(^^)
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