goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(過去を売る男)J・エドゥアルド・アグアルーザ

★過去を売る男


アフリカのアンゴラで、人々の過去を新しく作り直す仕事をする、フェリックスが主人公



アンゴラは、アフリカ南西部、大航海時代にポルトガル人に発見され、支配下にあったが



1960年代、アンゴラでも解放組織による暴動から、戦争へと 1975年に独立したが、直後に泥沼の内戦へ 



東西冷戦の代理戦争に、秘密警察が暗躍、密告、不当な逮捕、処刑、私刑が日常的に 



戦火が、収まったのは2002年  40年もの間、アンゴラの人々は、暴力と戦闘に怯える日々 



作品は、内戦終結直後の首都ルアンダが舞台



戦争により、過去を奪われた人々と、権力者を皮肉っていますが



軽妙なヤモリの語り口と、散文的な表現、楽しいばかりでない をミックスした作品です



物心ついたときから、常に戦争が身近にあった登場人物達は、その残酷さが骨身にしみていると



その体験から

記憶の罠とは、記憶は当てにならないし、説明があいまいなもの 軟弱で、どれが真実でどれが嘘か意識できるか と 



さまざまな不運にも見舞われても、ただでは起きない、ユーモアと明るさ、人への信頼が、著者の願望なのだ と感じました




ストーリーは


フェリックスは、彼の家に棲みついているヤモリを話し相手に、暮らしている



彼の仕事は、過去を売ること


フェリックスと顧客を観察し、その昔、人間だった記憶のあるヤモリは、夢の中では人間の姿を取り戻し、フェリックスとの会話を楽しむ



フェリックスとの日常だったり、夢の話だったり、人間だった前世の話だったりが、ゆったりと



そうして過去を売ったり、買ったり、大統領は替え玉だと言い出したりするちょっと変わった人たちの話が、



終盤にある出来事が起きて、、

最後は、素早い展開で、ヤモリは、勇敢にさそりと闘って死んでしまう



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