読了(寄せ場のグルメ)中原一歩
★寄せ場のグルメ
寄せ場(日雇い労働の求職を求める場所)で
20数年にわたって、飲み食いを続けてきたノンフィクションライターの、異色のグルメ本
月刊潮の連載もの
寄せ場社会には、飯屋は孤独の吹きだまりという言葉があるという
早い安い旨いの三拍子はもちろんだが、一人でふらりと店に入り、静かに、食事という店が
そういう店には、偏屈で寡黙な親父、強面の女将がいて、客の一挙手一投足を疑視している
店の紹介ばかりでなく、時代背景も興味深い
サービスの概念が通用しない世界だが、そこに意味があると
巨大都市・東京周縁で労働者が集まる「寄せ場」こそ、人間の「食」「生」を作りあげている現場だ
🍀1章 東京最大の寄せ場「山谷」を歩く
・江戸時代、八王子大和田、鈴ヶ森大森、南千住山谷は、幕府直轄の三大刑場
・山谷には、60年代安保闘争に関連し、機動隊に追われた労働者が逃げ込む店(大林酒場)には、鉄格子の門構えがある
・鰻好きが行列をつくる尾花 鰻が焼き上がるまで、冷酒をチビリとやりながら、うなぎ前(うざく、焼鳥)で待つ
・日雇い労働者に愛された喫茶店、バッハ
🍀第2章 労働者の腹を満たす「めしや」
・めしやと酒場の両方を備える、丸大ホール
・市民酒場の諸星
煮込み、シュウマイ、ポテサラ
・太平洋戦争、酒は配給だったが、行政が指導する酒場として国民酒場があった
・深川は、摂津大阪から、移住した深川八郎右衛門が開拓した
・山利喜は、ビール1本と、焼きとん煮込みべったら漬で、2000円
・みの家の馬肉(締めは、馬肉を焼いた鉄板で作る卵味噌) 甘辛い煮付けで山盛り飯を食らう
🍀第3章 「食」が写し出す首都東京の光と影
・高田馬場を目指す中国人
高田馬場には、中国の郷土食が反映された店がある
高田馬場は、新宿と池袋にはさまれているが、家賃が安い
新宿や池袋の中国人は、古くからの考え方で、ビジネスや文化慣習も違う、しがらみのない高田馬場で自由に商売する
・銀座の銀座亭、定食屋、麻婆春雨のハル丼が常連客に人気
喫茶店のミヤザワ
立ち食い蕎麦のかめや
・渋谷の裏と表 円山町は、京都円山公園、長崎の丸山遊郭にちなんでいる
松濤は、高級住宅街、一丁目は、表玄関からリビングにつくまで、5回のセキュリティがある
・関東大震災により、日本橋から、築地に魚河岸移転が
吉野家は、日本橋魚河岸で創業、牛鍋をヒントに、魚河岸で働く小僧や丁稚に愛され、寄せ場めしに
・佃は、家康が光秀の追手から逃れた時に助けた摂津国佃村の人々を呼び寄せ、漁業権を与えた
・てんぷら近藤(池波正太郎)の近藤さんによると、天ぷらは最初、庶民のスナックだった
・魚河岸のナポリタンが美味しそう
🍀第4章 “対談”寄せ場と「縁食」(上・下)
藤原辰史×中原一歩
孤食・共食から、縁食へ進むだろう
寄せ場めしは、貴重 深い関係がなくてもそこにいられる場所になると
🍀第5章 焼肉とホルモンから見える
日本近代史
・ジンギスカンは、三里塚闘争、御料牧場に関係あり
・ホルモンの語源は、諸説あり
放るもん
動物の生理的物質をホルモン
・鹿浜のホルモン
🍀第6章 現代の「寄せ場」はどこにあるか
現代の寄せ場は、ファミレスだ
東京そのものが、寄せ場的社会
行ったことのあるお店もあり、懐かしかったです
お読み頂きありがとうございます
素敵な一日をお過ごし下さい😊
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