goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

スケート場の空気感 読了(読書の森で寝転んで)葉室麟

★スケート場の空気感


散歩の途中、立ち寄り


節電中で、光が少ないが、清々しい


テンポのある音楽に、気分も上がります





★読書の森で寝転んで



読書好きなら、惹かれるタイトルです 


50歳を過ぎてからの作家デビュー

 2017年に66歳で逝去 


葉室麟の麟は、勝麟太郎から取ったと



人生という戦場に出るには、読書という武装が、必要だと言いながら


気楽に、読書の森で寝転んでと


どちらもありですね



「蜩ノ記」が有名

武士の矜持と覚悟、凛とした人間像が人気 



読書した書籍を示しながらも、詩短歌俳句が、彼の前提のようです



数頁の短いエッセイですが、文学史にも詳しく、さらに作家達への心遣いを感じました



第一章 読書の森で寝転んで

●武士道は、死ぬことと見付けたり は、一瞬の生を怠りなく生きよという哲学 (鍋島藩山本常朝)



●コナン・ドイル 戦争の悲惨さが、スピリチュアルな世界に進ませた



●寺山修司の短歌や俳句に感銘



●太宰治 左翼活動からの脱落や心中事件で女性を死なせたことは恥辱


だから正面から向き合うことを避け、青春の恥を文学に昇華させた



●山本周五郎 忍従こそが美德であった江戸時代だが


時代や環境がどうであれ、自らの価値観を確立していれば、自立した生き方を得られるのでは



●社会党・浅沼委員長が、17歳の山口により、刺殺された 


短刀を素手でつかんだ刑事に対し、山口はそっと短刀をはずした 


最初から自決を覚悟していた山口は、刑事の手を気遣った 


その知りたいという気持ちがテロルの決算(沢木耕太郎)になった



●小林一茶 肉親との相克を経ながら、64歳で33歳の女房を持ち、子をなし、火事にあい、命の限り這いずり回る



●堕落論 もともと人間は堕落するもの、その中から、生き抜くもの



●維新の激動、ひとにぎりの志士のものでなく、農民・下級武士・郷士の反乱のエネルギーがもたらしたが、そんな人達には、無惨な処刑が(相楽総三の刑死)



●上野英信の追われゆく坑夫たち エネルギーの転換で、閉山に そんな坑夫たちの「この世のもんじゃなか」物悲し柔らかさ



●空海に癒やされる

戦争後、空海に、接する司馬遼太郎 

震災後、空海に、接する高村薫




第二章歴史随想ほか

●理想の官僚政治家の藤原不比等

公正を好み、情が深い、細やかな女帝のもと、不比等が政治の実権握る



●豆を偏愛 坂の上の雲 海軍参謀の秋山は、いり豆をかじりながら海戦戦略を練る



●007シリーズのドライマティーニ

北方謙三のワイルドターキー




第三章 小説講座 

小説は虚構だけど、自分の中にある本当のことしか書けない 書くことは、心の歌を歌うこと



第四章 絶筆

最期の言葉「西郷のあとは、坂の上の雲 がんばらないと」



雑学好きにおすすめかも〜



お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい(^^)