goodday20221010のブログ

読書日記、たまに暮しを綴ります

読了(終点のあの子)柚木麻子

★終点のあの子


著書の観察眼が、鋭い作品


ひとつは、

恵まれている子の劣等感

そうでない子の嫉妬心



もうひとつは

女性同士の関係性を、明るい側面で



両面が、好ましく書かれています



作者自身も、中高一貫の女子高に通っていたから、納得です



四編とも、少女たちが、何かしら痛い想いをする



自分も、何者かになりたい、という気持ちをだき、、


その痛みをくぐり抜けた時、元いた場所ではないと 傷つかない人は、前に進めない



●フォーゲットミー、ノットブルー 忘れな草


中学から上がった希代子 


高校から入学した朱里と出会い、有名写真家である父を持ち、自由奔放な彼女に惹かれる


やがて、その勝手さ・ワガママに戸惑い、それが怒りに変わり、取り替えしのつかない行動(イジメ?)をとってしまう



●甘夏 

朱里に、親友の希代子を、とられた奈津子が、夏の間に変身しようと、バイトをはじめた、その顛末



●ふたりでいるのに無言で読書

華やかな美人で、リーダー格の、恭子と、地味で冴えない外見の保田さんの、ひと夏の交流



●オイスター・ベイビー

高校から、七年後、美大に入った朱里と、杉ちゃんが親友になる瞬間を描く




ボスキャラタイプ

ボスキャラに、くっつくタイプ

そうした上下関係から、距離をおくタイプ



どの少女も、他人に目を向けてしまったことが、不幸?のはじまり


気の合う仲間と、のんびり暮らしていたのに、違う他者を見て、憧れ・劣等感・嫉妬心を、抱いた時から、悶々となる



でも、それが成長に、つながる〜

こういう作品は、好きだし、文章が上手いなぁと感じました



お読み頂きありがとうございます

素敵な一日をお過ごし下さい😊