読了(すべての、白いものたちの)ハン・ガン
★すべての、白いものたちの
ノーベル賞受賞作家
「少年が来る※」の執筆後、しばらく休むため、訪れたワルシャワ※※とソウルで「白い」を書いています
※韓国の民主化運動史における最大の悲劇の一つ、光州事件を扱い、その犠牲になった死者達を描く
※※1944年9月の市民蜂起後、ヒトラーが見せしめとして絶滅指示を出した都市、爆撃で95%以上の建物が破壊された
原タイトルは、直訳で白い、文学作品です
韓国語、白い色を表す言葉
ハヤン→真っ白な、綿あめのような清潔な白
ヒン→白い、生と死の寂しさをこもごもたたえた色
作者はヒンを書きたかったと
解説の平野啓一郎は、章構成と転換を試み、象徴性と現実性を備えた詩的文体である
歴史や政治や言語の根源的な条件(思想的実践含む)の中、その渦中に生きる人の心の底を繊細に描いていると
●第一章
生まれて間もなく死んだ姉について語り、「今、あなたに私が白いものをあげるから」と呼びかけて、姉に自分の人生を手渡す ここで、私→姉へ
●第二章
姉は、ワルシャワの街を歩き、そこで見た白いものを語る
●第三章
再び叙述は私に戻る
姉と私の生が両立するのは、不可能と悟る 私はソウルに戻り、姉に惜別の儀式を行う、亡き母に贈る衣装を焼くことである そして、私は息を思い切り胸に吸い込みながら、生きていくことを誓う=命の鎮魂と恢復(元に戻る)の祈りが描かれてます
神を信じない作者は、この本を大切にしていると
翻訳者は、読者の判断に委ねるといいながら、この作品は読むというより歩く作品、通過する作品と言っています
お読み頂きありがとうございます
素敵な一日をお過ごし下さい
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。